先日、日本野生動物医学会大会が宮崎県で開催され、
当園から伴飼育員、川瀬獣医師、森田の3名が参加しました。

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日本野生動物医学会は野生動物医学の発展を目指した学会で、
野生動物に関する様々な分野の研究者や動物園水族館の職員などが所属しています。

今回は、伴飼育員と川瀬獣医師が
「研究する動物園」という集会で発表も行いました。
(発表の詳細は、当園のHPの「動物たちの検査データ」のページにアップされていますので興味のある方はご覧ください)
近年様々な園で行われている「ハズバンダリートレーニング」について、
飼育と獣医師の立場から現場の声を発信し、それに対しフロアからも様々な意見をいただくことができました。
動物園での研究の発展には、大学などの研究機関との連携が大切です。
今回の発表を経て、研究機関や大学関係の方から共同研究のお話などもいただき、今後の大牟田市動物園の「研究」のさらなる発展に向けて、良い機会となったと思います。
貴重な機会をくださった、学術・教育委員会の先生方に御礼申し上げます。

その他、学会期間中には野生動物に関する様々な発表や集会が行われました。
普段なかなか聞く機会のない分野について勉強する良い機会になるとともに、様々な熱い方々との交流も学会の醍醐味だと思います。

今後もそのような繋がりを大切に、当園でも野生動物医学の発展に貢献できるような研究に取り組んでいきたいと思っています。
また、その研究内容を来園者の皆様に分かりやすくお伝えするのも大切な仕事ですので、そのような機会も設けられれば...と考えています。

動物病院 もりた

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# by omutazoo | 2016-09-26 18:41 | Trackback | Comments(0)

オウギバトの『ニュー』

皆さんこんにちは!

今回はバードゲージに今年の8月加わった、オウギバトの『ニュー』を紹介したいと思います。オウギバトの『ニュー』は2015年6月19日に当園で生まれた雄で、父親の『パプア』同様の負けん気の強い性格です。

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園路の近く来ることはまだなく、坂の上から下の様子をじっと観察しています。
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園路からだと坂の角の辺りにいることが多いので運が良ければ見えるかも・・・。
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バードゲージにお越しの際は『ニュー』を探してみるのも面白いかもしれませんよ。


担当 たかき

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# by omutazoo | 2016-09-23 15:26 | 動物 | Trackback | Comments(0)

麻酔とトレーニング

ライオン舎の前に行くとこんな看板が…。
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現在、ライオンの「あさひくん」(4歳)は体調不良のため展示を控えています。

数日前から急に食欲が低下し、吐くこともありました。
飼育員と獣医で話し合い、麻酔をかけて検査することにしました。
採血をしたり、レントゲンを撮ったり、エコーを当てたり、注射を打ったりしました。
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その結果、異常所見は特に見当たりませんでしたが、食欲不振や嘔吐などの症状から、毛の塊がお腹に溜まってしまう、毛球症という病気を疑って治療を行っています。


さて、熱心な大牟田市動物園ファンの方はちょっと気になったのではないでしょうか?
ここのライオンはトレーニングで採血や体重測定をして健康管理を行っていたはずでは?やっても無駄だった?もしやサボっていた!??

もちろん、採血や体重測定は続けていました(サボってないですよ)。
何を隠そうこの「あさひくん」は、ハズバンダリートレーニング※によって、麻酔などを使わずに採血に協力してくれるようになった日本で最初のライオンなのです!
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食欲があまりないと、いつもは大好きなお肉もいらなくなるので、トレーニングにほとんど協力してくれなくなります。
そのため今回は麻酔をかけた後に採血を行いました。
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では、採血や体重測定をしても無駄だったかというと、無駄ではないんです!
ライオンのような野生動物は、人間のように健康な血液のデータがあまりなく、また一頭一頭血液にも差があります。
「あさひくん」は健康なときに採血した血液のデータがあります。
緊急時には健康なときの血液と比べることで検査が正確にできます。

役に立つのは採血だけではありません。
体重測定も役立ちます。
麻酔薬の量は体重を基に決めるため、体重は非常に重要です。
麻酔薬が少ないと処置の途中で覚めてしまうかもしれず、危なくて近付くこともできません。
反対に多すぎると、麻酔が効きすぎて最悪の場合死んでしまう可能性もあります。
「あさひくん」は食欲がなくなりだしたとき、採血には協力してくれませんでしたが、体重測定には協力してくれました。
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処置をする2日前に体重を測れたので、麻酔薬の量を正確に決めることが出来、安全に麻酔をかけることが出来ました。


ハズバンダリートレーニングが無駄ではなかったことがご理解いただけたでしょうか?
ハズバンダリートレーニングで出来ることは限られており、ハズバンダリートレーニングで採血などが出来ても全ての病気を見つけることはできません。
麻酔や網などで捕まえたりすることは、これから先も非常に大切な技術です。
最も大切なことはハズバンダリートレーニングとその他の技術を上手に組み合わせていくことです。


「あさひくん」は、翌日から薬が効いたのか、食欲が徐々に戻り、目つきもしっかりとしてきました。
また元気な「あさひくん」に戻れるように、飼育員も獣医ももっともっと腕を磨いていきます。
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ライオン班:ばん

※ハズバンダリートレーニング:動物の心身の健康管理に必要な行動を動物たちに協力してもらいながら行うトレーニング。一部の関係者はハズトレと略すことがある。

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# by omutazoo | 2016-09-20 18:17 | 動物 | Trackback | Comments(1)

国際レッサーパンダの日

本日は国際レッサーパンダの日のイベントを行いました。

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レッサーパンダの現状を分かりやすく紙芝居でお話をした後に、
展示場の大きな木にリンゴを隠しレンに探してもらいました。
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少しでもレッサーパンダの現状を知ってもらい、
私たちにできる事を考えてもらえたら嬉しいです!!

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# by omutazoo | 2016-09-17 18:02 | Trackback | Comments(0)

ウサギのマッサージ

大牟田市動物園の一つの特徴として、高齢動物の割合が高いということが挙げられます。

高齢動物は、人間のお年寄りと同様、若い個体とは違うケアが必要になってきます。

今回は、その中の一例を紹介したいと思います。

当園で飼育している大型のウサギ(フレミッシュジャイアント)のゆりあが、
初夏頃より加齢に伴う腰椎の病気を発症しました。

後ろ足に力があまり入らず、フラフラと歩いたり、後ろ足が尿で汚れてしまったり。

発症直後から炎症が治まるまでケージの中で過ごしていましたが、その間に後ろ足や腰の筋肉はかなり落ちてしまっていました。

ゆりあは高齢といってもまだ6歳。
今後も少しでも快適に過ごして欲しいという思いから、マッサージを実施してみることにしました。

犬猫などペット業界では、高齢動物のマッサージや針灸など色々なケアが行われています。
そこからヒントを得て、方法を考えました。
また、運のいいことに、動物園の近所にある帝京大学福岡医療技術学部理学療法学科の先生にアドバイスをいただくことができました。

そして、いよいよマッサージを開始しました。

以下は、開始した日の動画です。
後ろ足がフラフラしているのが分かるかと思います。



そもそもウサギは後ろ足を触られることが好きではないので、
まずおとなしくマッサージをさせてくれるのか...?
そこからのスタートでした。

しかし、予想に反して、ゆりあは初回から比較的おとなしくマッサージをさせてくれました。

そして、効果は徐々に現れました。

以下は開始10日後の動画です。



だいぶ後ろ足がしっかりしてきたのが分かるでしょうか。

現在、マッサージ開始から1ヶ月半ほど経ちましたが、経過は良好です。

マッサージだけで完全に治ることはないかもしれませんが、
後ろ足に力が入って踏ん張ることができれば、まずは良いと思っています。

このように、動物のケアは年齢に合わせたものが必要になってきます。

それを一つ一つ考えながら動物たちと向き合えることに、幸せを感じています。

動物病院 もりた
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# by omutazoo | 2016-09-12 18:36 | Trackback | Comments(0)