2019年 07月 05日
フランシス・カバナ氏をお迎えしました
みなさん、こんにちは。
雨が降ってお足元の悪い中、多くのお客様にご来園頂きました。
講演が終わった後には、英語と日本語が飛び交う 活発な質疑応答が繰り広げられました。 このお写真は、東京からいらした獣医学部の学生さんが 英語でご質問をしてくださっている時のものです。 ちなみに、通訳を行っていた私はどんどん声が低くなり、この日の夜を境に さっぱり声が出なくなりました(7月 5日現在、まだ出ていません)。 お聞き苦しい声で大変失礼を致しました。
夜は、大牟田の海と山の幸をご堪能頂きました。 カバナ氏がお好きだったのはワケ(イソギンチャクのみそ和え)と 揚げ出し餅でした(今回の来日でお餅が大好きになられたそうです)。
今後も当園では栄養学を含む動物福祉の向上に取り組んで参ります。 途中経過や結果は随時報告をして参りますので、 これからも温かく見守って頂けましたら幸いに存じます。
広報担当 とみさわ
広報担当のとみさわです。
今回は、先月末にフランシス・カバナ氏にお越し頂いた際のこと
についてご紹介致します。
少々長くなりますが、どうぞお付き合いくださいませ。
フランシス・カバナ氏はカナダ出身。
現在はシンガポール動物園で栄養士として勤務されています。
彼には16人の部下がおり、全員で栄養学関連業務を行っているんだそう。
シンガポールの 4つの動物園で飼育される動物すべての栄養学的管理を
されているとはいえ、非常に規模が大きいことが分かります。
そんなカバナ氏が、なぜ大牟田に?!
それは、当園における動物福祉の取り組みを、より高めるためでした。
ご存知の方も多いこととは存じますが、当園は「動物福祉を伝える動物園」
とのコンセプトの下、動物たちの生活の質(QOL)の向上のために
さまざまなことに取り組んでおります。
実は栄養学も動物福祉の一端を担っているのですが、
この部分だけは専門的知識が欠如した状態で努力を重ねており、
専門家のアドバイスに基づいた栄養学的管理の必要性を
常々感じておりました。
昨年度よりカバナ氏にご来園を打診して参りましたが、スケジュールが合わず、
この度やっとご来園を頂けることになったのでした。
赤枠で囲まれたところが「栄養学」領域です。
事前に全ての餌の種類、量や与える頻度を英語にしたものを
カバナ氏にお送りし、カロリー計算等を全てして頂いた状態で
担当飼育員と共に内容の見直しを行いました。
カバナ氏は、最初から「これがだめ!」とは仰いません。
まずは飼育員に「どうしてこの餌をやっているのですか?」
「この餌にはどのような意味がありますか?」と、その給餌背景を
事細かに確認なさいます。
その上で、日本では餌の値段は安いのか、通年手に入りやすいのか、等の
状況確認をされた上で、適切な餌の種類や量、頻度のアドバイスを
してくださいました。
時間をかけて、一種一種の動物の餌について担当職員と確認をしていただき、
すべての動物の餌についてアドバイスを頂くことができました。
今後は、頂いたアドバイスを基に、給餌内容を見直し、動物の状態に
どのような変化が見られるのかを確認していきたいと思います
(現在健康状態に問題がない個体であっても、今以上に毛並みや羽の発色が
良くなることがあるかもしれません)。
また、6月29日には、お客様向けの栄養学の講演会も行ってくださいました。
なお、カバナ氏のご厚意により、この時に使用されました
プレゼンテーションファイル(日本語訳つき)を一般公開致します。
なお、このリンクは2019年10月以降に削除される可能性があります。
何卒ご了承くださいませ。
by omutazoo
| 2019-07-05 11:24
| 取り組み