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前回カピバラを土に埋めてから、いつのまにか、かなりの時間が経っていました。
前回のブログは、こちら


いつ埋めたのか、正確な時期も定かではありません。確か一昨年の秋か冬だったような…?

とにかく、十分な時間が経っているには違いありません。


さあ、発掘です!

埋めた時に、目印になるよう、埋めた場所には棒を立てていました。

カピバラ骨格標本作製日記 ②掘り返す_c0290504_09384342.jpg

とりあえず、棒の右側から掘ってみることにしました。

しかし掘っても掘っても、何も出ません。

あれ?じゃあ左側を掘るか、と掘っていきますが、やっぱり何も出てきません。


本当にここであっているのか…。

疑念が湧いてきたその時、

カピバラ骨格標本作製日記 ②掘り返す_c0290504_09383926.jpg
あ!骨だ!!

一気にテンションが上がります。


カピバラ骨格標本作製日記 ②掘り返す_c0290504_12414898.jpg

まず出てきたのは胸椎が2本。

掘っていた勢いそのまま、シャベルでガッとやってしまうところでした。ギリギリセーフ!

ここからは丁寧に掘れるよう、手とスコップの作業に切り替えます。

次に肋骨、そして肩甲骨。


ちなみに参考として。

下の画像は、カピバラと同じネズミの仲間モルモットのレントゲン画像です。

カピバラ骨格標本作製日記 ②掘り返す_c0290504_12453328.jpg

胸椎というのは、背骨の中でも胸部にあたる部分の骨を指します。掘り出した胸椎もレントゲン画像と同じように、背中側に突起が長く伸びているのがわかると思います。肋骨は、いわゆるあばら骨ですね。肩甲骨はその名の通り、肩の骨です。


なんとなく体の向きがわかったので、掘る場所の検討が付けられるようになりました。

あれが出た、これが出た、と話しながら、土を取り除いていきます。

カピバラ骨格標本作製日記 ②掘り返す_c0290504_12414882.jpg
…これは楽しい。

恐竜の発掘作業もこんな感じだろうかと、ささやかなロマンを感じます。



さて、全部掘り出しましたが、骨が数個足りません。

細々した指や関節の骨も、いくつかなくなっている可能性があります。

想定以上に骨の配置は崩れてバラバラになってしまうのだという学びを得て、次回は洗濯ネットに入れたり、場所を正確に記録したりしようと思いました。

カピバラ骨格標本作製日記 ②掘り返す_c0290504_12414840.jpg

とりあえず全身発掘完了しました!


つづく。


にしむら


# by omutazoo | 2024-02-28 09:29 | スタッフの日常



こんにちは。今回は骨格標本作製のお話です。


動物園には、たくさんの動物たちが暮らしています。

動物たちは日々食べたり寝たりしながら生きているわけですが、生き物である以上、いつかは死んでいくのもまた自然なことです。

動物園ではそうして亡くなった動物たちの体を、すべてではありませんが、さまざまな標本にして残しています。


動物の体の形は、千差万別。歯の形や、手足の長さ、毛皮の質感などから、その動物の暮らし方や棲んでいる場所など、いろいろなことが想像できます。

生きた動物を見て「面白い!」と思うのと同じように、普段見られない動物の骨や毛皮などをお客様に間近で見て頂くことで、動物の体ってこんな風になっているんだ!と新しい発見をして頂けたらいいなあと思っています。
レクチャールームの奥の小部屋に実は色々置いてあるので、今度ご来園の際は是非お立ち寄りください。

カピバラ骨格標本作製日記 ①埋める_c0290504_16412001.png


最近、3年前に亡くなったカピバラのヒノキの骨格標本を作り始めました。

その様子を5回ぐらいのシリーズでお届け致します。



骨格標本は、骨から肉を除き、洗浄し、油抜き、漂白、乾燥、という手順で作ります。

文章で書くと至極単純なのですが、一つ一つの段階に時間がかかります。


肉を取り除く方法には、土に埋める、茹でるといった方法の他、小さい生き物であればカツオブシムシという虫に肉を食べてもらう方法もあります。

しかし、カピバラの体は大きいため、そのような方法で肉を取り除くのは大変です。

そのため、土に埋めることにしました。


カピバラを埋めるための穴を掘ります!

カピバラ骨格標本作製日記 ①埋める_c0290504_16371178.jpg

こうすることで土中の虫やカビ、細菌などの微生物が、肉を食べ、分解してくれるのです。

とはいえ、土に埋めて骨格標本を作るのは初めてなので、どれだけ時間をかければいいのかよく分かりません。

とりあえず埋めて、一年ほど眠っていてもらいましょう。

場所が分からなくならないように棒を立てておきました。


さあ、きちんときれいに骨だけになるでしょうか?掘り返してのお楽しみです。。。



にしむら


# by omutazoo | 2024-01-06 17:57 | スタッフの日常

大牟田市動物園のスタッフが、日々のさまざまなことをお伝えします!


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