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ライオンのおしっこトレーニング

皆さんこんにちは!
ライオン班のばんです。
今日は普段は見ることができないライオンのおしっこトレーニングを紹介します。
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回収したライオンのおしっこ。

「トイレが自由にできないなんてかわいそう…。」
と思われるかもしれませんが、ご安心を。
このトレーニングでは、すべてのおしっこをコントロールするわけではなく、
ある条件のときだけ、おしっこをしてもらうトレーニングなのです。
しかも強制ではありません。

大牟田市動物園では、体重測定や爪切りなどをする際、動物に自ら参加して
もらえるようにする訓練、「ハズバンダリートレーニング」に力を入れ、
動物の負担を極力少なくしながら健康管理や研究などに役立てています。

このハズバンダリートレーニングによるライオンの採血に、
日本で初めて成功したのも大牟田市動物園なんです!

健康診断のために月1回行っている採血後、雄ライオンの「あさひ」に
気になる検査結果が…。
実は、腎臓の機能が弱っているようなのです。
状態をさらに詳しく調べるためには、尿検査をする必要があります。
そこで始めたのがおしっこトレーニングだったのです。
どうやってトレーニングをしたかというと…

まずは、いつおしっこをするのか?を調べます。
監視カメラの映像から、朝方によくおしっこをしていることが分かりました。
トレーニングをするには朝がよさそうです。

次にライオンが好きなお肉を用意し、柵の外から
おしっこをするまでじっと待ちます。
ライオンのおしっこトレーニング_c0290504_16115183.jpg
おしっこの瞬間を捉えた貴重な写真!

ライオンがおしっこをしたら、すかさずお肉をプレゼント!

そう、このトレーニングは、
「朝、飼育員が見ているときに、おしっこをしたら、いいことが起きる。」
というルールをライオンに教えているのです。

これまでの約5か月間に、90回ほど練習をしてきました。

初めのころは、ライオンが部屋の外にいるときと部屋の中にいるときの
両方で練習していましたが、成功率は40%ぐらいでなかなか上がりません。
部屋の外にいるときよりも中にいるときの方がうまくいっていたので、
今度は部屋にいるときだけトレーニングすると、今度は成功率が
80%ほどに上がりました。
また、おしっこをするまでに3分ほど待たないといけなかったのが、
今では2分以内におしっこをしてくれるようになりました。

ですが、ここで問題が。
これまで、床にしたおしっこを吸い上げて回収していましたが、
これでは床に染みて量が少なく、ゴミも混じってしまいます。

そこで開発したのがこちら!

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ライオン用おしっこ回収装置!

ゴミ箱にトタンを突っ込んだだけのシンプルな作りです。
トタンに掛けられたおしっこが、そのままゴミ箱に集められる優れものです。
これを柵の外に置き、この装置におしっこをした時だけ、
お肉をあげるようにしました。

しかし、困ったことにこの回収装置以外の場所におしっこをしてしまい、
終いにはおしっこをしなくなってしまいました。
そこで、今度は回収装置を置く位置を変えてみたところ、徐々に成功率が挙がり、
現在40%ほどの成功率になっています。

トレーニング以外にも、水分を多くとって、腎臓の負担を和らげるため、
馬肉と水をフードプロセッサーで混ぜた、特製の馬肉スープを作り、
あさひはこれを毎日3リットル飲んでいます。
その効果もあってなのか、現在の検査値はそれほど悪くないようです。
今後も血液検査や尿検査などを組み合わせながら、健康管理に努めていきます。


最後になりましたが、私、ばんは4月で退職することになりました。
今まで動物園に足を運んでくださったり、ブログを読んでくださった皆様に
心から感謝いたします。
これからもさらにグレードアップしていくライオン班をはじめ、
大牟田市動物園を引き続きよろしくお願いいたします。
今まで本当にありがとうございました!
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ライオンのあさひと私。



ライオン班 ばん

by omutazoo | 2020-04-05 17:44 | 取り組み

大牟田市動物園のスタッフが、日々のさまざまなことをお伝えします!


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