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ヒツジの毛刈りトレーニング

みなさんこんにちは!
今回はヒツジの毛刈りトレーニングについてご紹介したいと思います。

当園には4頭のヒツジが暮らしています。
ヒツジは家畜化の長い歴史の中で、人間がいつでも毛を利用できるように
「季節に合わせた毛の生え変わり(換毛期)の無い動物」として
改良が重ねられてきました。
そのため、ヒツジは定期的に「毛刈り」をしないと、
どんどん毛が伸びていってしまいます。
しかし、夏の暑い季節は毛がモフモフの状態のままでは
バテバテ(熱中症)になってしまいます。
そこで当園では、毎年夏前に「毛刈り」を行ってきました。

昨年までの毛刈りは、ヒツジを地面に寝かせた状態で行っていました。
ヒツジの毛刈りトレーニング_c0290504_08513065.jpg
しかし、何十分もこの状態でいることはヒツジに負担がかかってしまいますし、
バリカンの音もとても大きいので、毎回怖い思いをしていたヒツジがいたかもしれません。


そこで、今年の1月より「ヒツジにかかる負担がすこしでも少ない方法で
毛刈りができるようにしよう作戦!」を開始しました。

まず、台に乗っている状態で近くに人がいることに慣れてもらいます。
ヒツジの毛刈りトレーニング_c0290504_08530334.jpg
「台に乗っている間は、体を触ったり、毛刈りさせてね」
というルールにしています。
(ごはんを柵越しであげている理由は、同じ空間にいると、ヒツジが
「おやつおやつ♪」とスタッフにめり込むくらい近くに来てしまうため、
試行錯誤を繰り返し、この形に落ち着きました。
ヒツジとスタッフの仲が悪いわけではないのでご安心ください!)

次に、人がヒツジの全身に触れる状態をつくります。
ヒツジの毛刈りトレーニング_c0290504_08525016.jpg

ここまでできたら、いよいよバリカンの登場です。
いきなり刈るのではなく、ここからも地道にコツコツ進めていきます。
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左は通常のバリカン、右が毛刈り用のバリカンです。
大きさの違いもさることながら、音の違いもすごいんです。
普通のが「うぃ~ん。」だとすると、毛刈り用は
「ガタガタガタガタッ!!!!!」です。
最初は通常のバリカンを使って、ヒツジがそれに慣れてから、
毛刈り用のバリカンに慣れてもらうようにしました。

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(小さいバリカンのスイッチを入れた状態で、バリカンの後ろを体に当てています。)

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(少し離れたところで毛刈り用のバリカンの音を出しています。)


毛刈り用のバリカンの音や振動に慣れてきてもらったら
やっと毛刈りを始めます。
1回の毛刈りは2分~3分くらいで、毎回少しずつ刈っていっています。

ヨータの場合:
1回目
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2回目
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3回目
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4回目
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6回目
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そして、10回目
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今は刈り跡がガタガタになってしまっているところもありますが、
少しずつ整えていこうと思います(回数を重ねれば、スタッフの腕も上がるはず!)。
1頭1頭に合わせ、トレーニングを進めているので、
毛を見れば進み具合が分かっちゃいます。

現在は臨時休園中ですが、再開園したら、ぜひ羊たちの毛に
注目して見てみてください。


担当:さいとう

by omutazoo | 2020-05-03 15:27 | 取り組み

大牟田市動物園のスタッフが、日々のさまざまなことをお伝えします!


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