2021年 04月 11日
クサヤギ ありがとう
死因は慢性肺炎でした。

3月中旬より食欲不振などの体調不良が見られ、薬を飲んでもらったり注射による治療を行ったりしていました。
死亡する1週間前ぐらいから立ち上がることも厳しくなり、座ったままの生活が続いていました。
それでも横に倒れることはなく、座った状態で身体を支え、飼育員が近づくとしっかりと顔を上げて見つめてくる様子から、頑張ってくれていることが伝わってきていました。

クサヤギは、私たちに色々なことを教えてくれました。
クサヤギは変形性関節症という高齢になると起こりやすい足の疾患がありました。
その症状である、ぎこちない歩き方が見られるようになってからは、痛みの緩和を目的として、痛み止めの薬や関節の動きをよくするサプリメントを飲んでもらっていました。
しかし、昨年の夏頃から歩き方の変化だけでなく、症状の進行により足の変形も見られるようになりました。
そこで帝京大学理学療法学科の先生方に相談をし、歩行の補助を目的としたオーダーメイドの装具を作製して頂きました。

初めての人に、初めての装具。クサヤギにとって未知のものばかりで、最初はきっと怖かったことだろうと思います。
しかし、装具第1号を使用し始めて 2、3日で、装具を付けることへの抵抗が全く無くなり、装具を付けた足にしっかり体重をかけて歩いてくれるようになりました。

装具を付け始めた11月以降、気温が下がり寒さと足の痛みにより、座っていることが多くなったクサヤギの足は、装具を付けていても日に日に変形が悪化していきました。がっちりと足の形に合わせて作られている装具は、変形が進むと足に合わなくなり、装着できなくなってしまいます。早い時には一週間程で合わなくなることもありました。先生方には授業などでお忙しい中、装具の調整にお越し頂きました。

先生方のご協力が無くては、クサヤギがここまで長い期間歩き続けることはできなかっただろうと思います。
今回クサヤギが装具を受け入れてくれ、装具に頼って歩いてくれたことで、ヤギの適応力と高齢動物へのケアの方法を学ぶことが出来ました。
クサヤギには感謝の気持ちでいっぱいです。
この取り組みは、今後ヤギ、ヒツジだけでなく、多くの動物に活かすことが出来る貴重な経験となりました。

私がクサヤギに出会った頃は、とても元気で強い、ヤンチャなヤギという印象でした。
気に入らないことがあると、近づいたときに頭を振って追い払うような動作をしたり、全速力で逃げられたりしたこともありました。
でもそんなクサヤギが、高齢になってからは、優しく穏やかなおじいちゃんヤギになっていきました。
装具を装着する時には、座っていてもゆっくりと立ち上がって近づいてきてくれたり、時には背中などを掻いて欲しそうに甘えてきたりしてくれました。
また、1月末に死亡した小柄なヤギが亡くなった際は、亡くなる日まで毎日寄り添っていた姿がとても印象的でした。
深く関われば関わるほど、ヤギの魅力を教えてくれたのもクサヤギでした。

立派なツノと大きな身体という見た目から、絵本の「三匹のがらがらどん」のヤギと呼ばれ、たくさんの方から愛されていました。
ま、たKBC朝の番組「アサデス。」内の「がまだせ動物園」で、ヤギについての取り組みをご紹介いただいてからは、ご心配や励ましの声をかけて頂きました。
装具の作製をしてくださった帝京大学の先生方、出水義肢装具製作所の方にはたくさんご協力を頂きました。
クサヤギを応援してくださったすべての方々にこの場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
最後にクサヤギへ
リハビリや治療などたくさんの事に協力してくれて、たくさんの事を私たちに教えてくれてありがとう。
最期は立ち上がれなかったり、きっときついこともあったよね。
本当に本当にお疲れ様でした。
クサヤギが亡くなって10日くらい経つけれど、大きなツノで背中を掻く姿や、ヒツジに負けじとバットに顔を突っ込んで牧草を食べる姿、いろんな様子が思い浮かぶくらい、わたしにとっては今でも大きな存在です。
寂しいけど、これからは天国から見守っててね。





