2022年 09月 21日
ツッキーのスペシャルメニュー
※このブログにはイノシシの屠体(とたい)の画像が含まれます。
予めご了承ください。
皆さん、こんにちは。
台風が去り、立秋という秋らしさが少しは感じられるようになった今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
今回のブログでは、屠体給餌のお話をします。
屠体とは、獣害駆除された野生のイノシシやシカのことです。
その駆除された動物に衛生的処理を加え、動物園の動物にあげる取り組み(屠体給餌)を当園では行っています。
野生の肉食動物は、動物の皮を剥いだり、骨を噛み砕いたりして、時間をかけてお肉を食べています。
しかし動物園では通常、毛皮のついていない、私たち人間が食べやすい状態のお肉を食べています。
そのため、屠体を食べることで、皮を剥ぐ、骨を砕くといった野生下での見られる行動を引き出したり、採食時間を延長したりすることを目的として、この取り組みを行っています。
改めまして、屠体プレゼント募金にご協力をくださる皆様に、心よりお礼を申し上げます。
使用する屠体はそのままの状態ではなく、動物園の動物たちに安全に食べてもらうために丁寧な処理を行っています。
捕獲時には、銃弾による鉛中毒を避けるために、わなを使用し、感染症のリスクが高い頭や内臓を取り除き、さらに低温加熱による殺菌を行っています。
このように丁寧な処理が行われるため、屠体の入手にはコストがかかります。
そのため、当園では「屠体プレゼント募金」を実施し、お客様からのご協力を頂いて、屠体給餌を実施しています。
今回入手した屠体は、3.2㎏の重さのものでした。
このうち、2.8㎏分をアムールヒョウのポンちゃんにプレゼントしました。
普段はグラグラ床や台の上に屠体を置くことが多いのですが、今回は、やぐらの上に置いてみました。
ポンちゃんの反応は…
すぐに屠体を見つけてにおいを嗅いだ後、持って降りようかどうしようかと悩んでいるようにも見受けられましたが、そのまま最後まで、やぐらの上で食べていました。
11時すぎに設置してから、16時30分ぐらいまで、少しずつ、少しずつ食べていたようでした。
そして、ここからが本題なのですが、実は、ツキノワグマのツッキーにも同じ日に屠体給時を行いました。
ツキノワグマは、野生下では主に植物や果実を食べますが、昆虫や動物の死肉を食べることもある雑食性の動物です。
ツッキーにはいつも野菜メインのごはんをあげていますが、今回は特別に後肢1本408gをポンちゃんからおすそわけしてもらいました。
この日は寝室から展示場に通じる扉を開放にしても、展示場に隠したいつものごはんを食べには行かず、屠体を食べきるまで寝室にいました。
1時間ほどで、屠体はほぼ骨のみとなり、その後ツッキーは展示場へ行き、いつものごはんも食べていました。
次回の「大型ネコ科動物にイノシシ丸ごとプレゼント」のイベント(屠体給餌)は、10月9日(日)11時から、大型ネコ科動物舎前で行う予定です。
どの個体にプレゼントするかは、当日までのお楽しみです!
是非、ご興味のある方はご参加いただけたらと思います。
スタッフ一同、動物園でお待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ツキノワグマ担当:ますざわ
アムールヒョウ担当:こが
by omutazoo
| 2022-09-21 10:41
| 取り組み