2023年 05月 07日
アムールヒョウのポンについて
今回のブログは、アムールヒョウのポンについてです。
注:手術中の写真や糞の写真が含まれています。予めご了承ください。
ポンは現在、展示を中止しています。
ゴールデンウィーク中、ポンに会えなかった皆様、大変申し訳ございませんでした。
また、ポンのことを心配してくださり、ありがとうございます。
ここ数日のポンの体調について、詳しくお伝えしたいと思います。
4月23日に食欲が低下し、ごはんの食いつきが悪くなっていました。
翌日には、少しずつ食欲が戻り、ごはんも完食していました。
また、4月28日に行った血液検査では、大きな異常はありませんでした。
しかし、4月30日から再び食欲が低下し、全くごはんを食べない日が2日間続きました。
5月2日も食欲は戻らないままだったことから、原因を明らかにするため、5月3日に麻酔をかけて検査を実施しました。
レントゲン検査とエコー検査の結果、腸管の一部が不自然に拡張していることが分かり、異物による腸管閉塞が疑われました。
高齢のポンにとって手術は負担になりますが、直接異物を取り出すことが最善の方法と考え、開腹手術を実施することになりました。
腸管閉塞の原因となっていたのは、誤飲したおもちゃのかけらでした。
異物のせいで腸の動きが悪くなっていたようで、糞も詰まっていましたが、全て取り出すことが出来ました。
麻酔をかけてから手術が終わるまで約4時間かかり、ポンには大変な思いをさせてしまいました。
術後は、麻酔から覚めて顔を上げ、ふらつきつつも四肢で歩く様子が確認出来ました。
翌日からはごはんも食べてくれるようになり、ひとまず安心しているところです。
当園では、動物の採食時間を延ばしたり、退屈な時間を減らしたりすることを目的として、フィーダー(ごはんを入れる容器)やおもちゃなどの人工物を使用することがあります。
ポンにも、ダンボールの中にごはんを入れたり、ロープなどのおもちゃを展示場に入れたりしていました。こうしたものを使用する際には、動物がちゃんとごはんを食べれているか、人工物を誤って飲み込んでいないか、怪我を負っていないか等、しっかりと観察および確認をすることが大切です。
今回腸に詰まっていたと思われるおもちゃは、最後に展示場に入れた日が、1月14日でした。約3か月半もの間、ポンのお腹の中に入っていたということになります。
本件は、担当者の観察・確認不足により起きてしまったことです。
ポンに数日間食欲不振になるくらい気持ち悪い状態にさせてしまったことや、負担の大きい手術をし、痛い思いをさせてしまったことを、本当に申し訳なく思っています。
大変申し訳ございませんでした。心よりお詫びを申し上げます。
しっかりと反省をすると共に、再発防止に向けて対策を講じて参ります。
誤飲の可能性のある素材や質のものを使わないようにするなど、使用するおもちゃ等を限定するように致します。
また、何度か使用してもらって問題がなかったとしても、今後問題が発生する可能性を考え、ビデオ撮影等による行動観察で、これまで以上にポンの状態を把握していきます。
さらに、これまでにも行っていた通り、おもちゃ等の破損があった場合には、すべての破片を回収し、誤飲がないかを確実に調べます。
また、人工物を使用している他の動物の安全性についても、今一度確認を致します。
現在のポンにつきましては、FacebookやYouTubeでのご報告の通り、食欲が回復し、毎日しっかりごはんを食べてくれています。
また、高いところに登るなどの動きも見られるようになりました。
ポンの展示再開につきましては、休園日明けの9日(火)を予定しております。
なお、ポンの体調によっては、展示を中止する可能性もございます。予め、ご了承ください。
担当:のだ
by omutazoo
| 2023-05-07 10:55
| 動物