2024年 01月 06日
カピバラ骨格標本作製日記 ①埋める
こんにちは。今回は骨格標本作製のお話です。
動物園には、たくさんの動物たちが暮らしています。
動物たちは日々食べたり寝たりしながら生きているわけですが、生き物である以上、いつかは死んでいくのもまた自然なことです。
動物園ではそうして亡くなった動物たちの体を、すべてではありませんが、さまざまな標本にして残しています。
動物の体の形は、千差万別。歯の形や、手足の長さ、毛皮の質感などから、その動物の暮らし方や棲んでいる場所など、いろいろなことが想像できます。
生きた動物を見て「面白い!」と思うのと同じように、普段見られない動物の骨や毛皮などをお客様に間近で見て頂くことで、動物の体ってこんな風になっているんだ!と新しい発見をして頂けたらいいなあと思っています。
レクチャールームの奥の小部屋に実は色々置いてあるので、今度ご来園の際は是非お立ち寄りください。

最近、3年前に亡くなったカピバラのヒノキの骨格標本を作り始めました。
その様子を5回ぐらいのシリーズでお届け致します。
骨格標本は、骨から肉を除き、洗浄し、油抜き、漂白、乾燥、という手順で作ります。
文章で書くと至極単純なのですが、一つ一つの段階に時間がかかります。
肉を取り除く方法には、土に埋める、茹でるといった方法の他、小さい生き物であればカツオブシムシという虫に肉を食べてもらう方法もあります。
しかし、カピバラの体は大きいため、そのような方法で肉を取り除くのは大変です。
そのため、土に埋めることにしました。
カピバラを埋めるための穴を掘ります!

こうすることで土中の虫やカビ、細菌などの微生物が、肉を食べ、分解してくれるのです。
とはいえ、土に埋めて骨格標本を作るのは初めてなので、どれだけ時間をかければいいのかよく分かりません。
とりあえず埋めて、一年ほど眠っていてもらいましょう。
場所が分からなくならないように棒を立てておきました。
さあ、きちんときれいに骨だけになるでしょうか?掘り返してのお楽しみです。。。
にしむら