こんにちは!
ユキヒョウを担当しているライオン班のばんです。
今回はユキヒョウシンポジウム2018「野生からの出張セミナー」に参加したお話です。
このシンポジウムは、絶滅の危機に瀕しているユキヒョウについて、野生の状況や様々な研究などを紹介し、ユキヒョウの未来を考えるシンポジウムです。
https://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/cetbio/ja/events/2018-03-10-snow-leopard.html
京都大学野生動物研究センターが主催となり、3月10日に開催地でもある共催の神戸市立王子動物園で開催されました。
京都大学野生動物研究センターのホームページ
http://www.kobe-ojizoo.jp/
神戸市立王子動物園のホームページ
https://www.wrc.kyoto-u.ac.jp/index.html

神戸市立王子動物園のユキヒョウ、ユッコ。
私は「ユキヒョウのハズバンダリートレーニング ~動物園で元気に暮らすために~」というタイトルで発表しました。
キルギス共和国の方たちのために、英語を併記しています(かっこよく見えますね!)。
大牟田市動物園で現在暮らしているユキヒョウのスピカは、熊本地震によって被害を受けた熊本市動植物園から避難してきました。
元気に熊本に帰っていけるように、ハズバンダリートレーニング(心身ともに健康に暮らせるようにするために、動物に協力してもらいながら行うトレーニング)を取り入れた成果をご紹介しました。
研究者の方々からは、ユキヒョウにまつわる民俗学や糞を使った最新の研究、当園との共同研究など、いずれも興味深く、保全や飼育にも役立つような研究が紹介されました。

当園での共同研究の様子。研究成果はいずれ紹介しますね!
キルギス共和国で保全活動を行っているKoustubh Sharuma氏と Kubanychbek Jumabai uulu氏の両氏のお話もありました。
その中で、
「ユキヒョウは中央アジアの12ヵ国にまたがって分布しています。これらの国々は政治的にはあまり友好的ではないこともあるが、ユキヒョウを守るために、手を取り合っている。ユキヒョウの持つ大使としての力を感じている。」
とのお話がとても印象的でした。
当園のユキヒョウ(スピカ)は意図せずにやってきましたが、こうやってたくさんの方々を繋いでくれました。
ユキヒョウの持つ大使としての力を感じずにはいられません。
また、ユキヒョウに限らず、動物園で暮らすすべての動物たちも野生からの大使です。
彼らの大使としの役目が果たせるように、私たち飼育員も努力を重ねていこうと改めて胸に誓いました。

当園で暮らしているユキヒョウのスピカ。動物園の動物はすべて野生からの大使です。
おまけ:シンポジウムで発表された一部の若手研究者は、翌日の飛行機でキルギス共和国へと調査に向かいました。
タフな研究者のおかげでユキヒョウのことがまた一つ明らかになる(=守ることにも繋がる)かもしれませんね!
ライオン班
ばん