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※このブログにはイノシシの屠体の画像が含まれます。あらかじめご了承のうえご覧ください。


皆さんこんにちは!
ライオン班の伴です。
今回のブログはちょっと長めですが、動物園が様々な機関や人々と繋がって、新たな領域を開拓する興味深い内容となっていますので、是非最後までお付き合いください。

以前このブログで紹介した獣害駆除されたシカを動物園のライオンたちに与え、より活き活きとした生活が送れるようにするための試み、「ヤクシカZOOプロジェクト」を覚えていますか?

・ヤクシカZOOプロジェクトの過去のブログ
ライオンたちとシカの骨
http://omutazoo.exblog.jp/26914168/
ヤクシカZOOプロジェクト 第2弾!
http://omutazoo.exblog.jp/27374281/
ヤクシカZOOプロジェクト 第3弾!
http://omutazoo.exblog.jp/27833538/


獣害問題はとても深刻で、特に福岡県は単位面積当たりの被害額がワースト1位になるほどです。
そこで、ヤクシカZOOプロジェクトをより発展させていくために、新たな団体を作りました。
その名も・・・
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非営利団体「Wild meǽt Zoo」(ワイルド ミート ズー)!!


団体名には「野生(wild)と動物園(zoo)が獣肉(meat)を通じて出会い(meet)動物園の新しい価値を創造しながら地域とつながってゆく。」との想いが込められています。



さてさて、今回はこの「Wild meǽt Zoo」に関連したお話です。

6月4日午前。
九州大学リーディング大学院「持続可能な社会を拓く決断科学プログラム」のセミナー「ヤクシカZOOプロジェクトからWild meǽt Zooへ ~地域における獣害問題と動物園の動物福祉をつなぐ新たな実践活動~」に参加しました。
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低温殺菌処理について説明する細谷先生。

ここでは、Wild meǽt Zooの理事でもある九州大学の細谷先生からのレクチャーの後、大学院生たちと活発な討論が行われました。



6月4日午後。
イノシシやシカなどの食肉処理加工を行っている「浮嶽くじらセンター」(福岡県糸島市)を見学させてもらいました。
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センターの外観。
イノシシの肉は「山鯨(やまくじら)」とも呼ばれます。

ここでは、Wild meǽt Zooの理事でもある「糸島ジビエ研究所」代表の西村さんに捕獲から加工までのレクチャーを受けました。
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熱心に説明する西村さん。

技術的な話だけではなく、「自然から命を頂く」という想いがひしひしと伝わってきました。



6月5日午前。
この日は実際にライオンとトラに初めて与える日です。
低温殺菌処理*を施し、感染症のリスクを少なくするために頭部と内臓は除去した糸島産のイノシシを用意しました。
*低温殺菌処理とは低温での加熱殺菌のことで、ウイルスなどの感染症を予防し、肉質の変化や毛の抜け落ちが少なくなります。

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約4kgのイノシシ。

小型のイノシシは食肉には不向きで、あまり利用されていません。
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事前の説明を行う、Wild meǽt Zooの代表でもある科学コミュニケーターの大渕さん。

獣害問題と動物園の動物福祉を来園者と一緒に考えるために必要な説明です。




気になる動物たちの反応は・・・
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雄ライオンのあさひ。
毛皮に苦戦?したようでしたが、上手に前足で押さえて引きちぎる様子が観察されました。


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雌ライオンのリラ。
咥えて走ったり、爪を立てて引っ張ったり、興奮しっぱなしのご様子。


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雌トラのホワイティ。
奥歯を使って骨までバキッ!と。リラックスした様子で、黙々と食べ進めていました。


3頭とも夕方にはほとんど完食し、普段の餌では見られない行動やじっくり時間をかけて食べる様子が観察されました。

さらに、九州大学の御田先生と九州大学の大学院生の方々のご協力のもと、この給餌の様子をご見学された方を対象にアンケート調査を行いました。
アンケートには授業の一環で訪れた専門学校の方々にご協力頂きました。

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アンケート調査の結果を眺める大学院生の方々。
おおむね好意的に受け止めていただけたようです。


今回の経験を踏まえて、今後も獣害駆除された動物たちを有効に活用し、動物園の動物たちのよりよい生活を考えていきます。
また、皆さんにこういった取り組みを積極的にお伝えし、一緒に動物と人の関係を考えていきたいと思います。


今回のブログはいかがでしたか?
動物園では様々な機関や人々と協力しながら、動物園の内外の課題に積極的に取り組んでいきます。
Wild meǽt Zooの活動もそのうちの一つです。
動物園には様々な機関や人々が繋がる場として、まだまだ秘められた可能性がありそうですね!
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当日集まったWild meǽt Zooのメンバーたち。

ライオン班 ばん



・Wild meǽt Zoo フェイスブック
https://www.facebook.com/Wild-me%C7%BDt-Zoo-235443356997744/

・九州大学決断科学プロクラム ホームページ
http://ketsudan.kyushu-u.ac.jp/
・九州大学決断科学プロクラム Facebook
https://ja-jp.facebook.com/ketsudankagaku?fref=ts

・糸島ジビエ研究所 ホームページ
http://gibierlab.jp/about/
・糸島ジビエ研究所 Facebook
https://www.facebook.com/gibierlab/

・科学コミュニケータ― 大渕希郷さん ホームページ
http://www.sky.sannet.ne.jp/masato-oh/


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by omutazoo | 2018-06-10 14:37 | 取り組み
あけましておめでとうございます!
ライオン班のばんです。


今年は戌年ですね。
大牟田市動物園にイヌはいませんが、今回はイヌのように穴掘りをする、ある『意外な動物』のお話です。

イヌは穴掘りがとても得意な動物です。
私の愛犬、故プルピーもモグラの穴に鼻先を突っ込んでは、せっせと掘っていました。
掘る行動はイヌ以外にも、クマやイノシシ、ウマなど様々な動物が行います。
皆さんが知っているあの動物も・・・
そう!あの『ライオン』も例外ではないのです!


ライオンについて書かれたある本を読んでいたところ、
「ライオンが3時間もイヌのように穴を掘り続けた。」
とあるではないですか!

また、幸運なある動物園の飼育員さんは、実際に穴を掘るライオンをケニアで見たそうです(羨ましい!)。
他にも、TVやインターネットでもライオンが穴を掘る姿を見ることができます。

ではなぜ野生のライオンは穴を掘るのでしょう?
それは、穴に潜むツチブタやイボイノシシを捕まえるためです。
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ツチブタ(※ブタではありません)
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イボイノシシ

ネコの仲間が穴を掘るのはとても珍しいことです。
動物園のライオンたちが、もっとイキイキと暮らせるように、穴掘り行動を引き出したい!
そして、ライオンの知られざる穴掘り行動を皆さんに知ってほしい!
そんな想いで開発したのがこちら、
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その名も『穴掘りボックス』!

使い方は簡単。
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この箱には蓋がついています。
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この蓋からソーセージの皮(食べても安全)で結んだお肉を入れ、吊るします。
吊るすことで、お肉に砂が付きにくくなります。
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箱の入り口を砂で塞ぎます。

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完成!
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あとはライオンが入り口の砂を掘って…

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お肉をゲット!

実際に当園のライオンたちに使ってみると…
中々穴を掘らず、箱の臭いを嗅いだり、噛みついたりするばかり…。

当園のライオン2頭(オスのあさひとメスのリラ)は生まれも育ちも動物園。
今まで穴を掘っている姿は見たことがありません。

入口の砂を無くした状態で使ってみたり、徐々に入り口の砂の量を増やしたり、少しずつ使い方に慣れてもらいました。
そして最近は…

見ました?すごいでしょ!
野生のライオンの様に、上手に穴掘りをするようになりました!

奮闘の様子は、KBC九州朝日放送の朝の情報番組『アサデス。』の『ガマダセ動物園』のコーナーでも取り上げてもらいました!
飼育員たちの挑戦!穴を掘るライオン その1
http://www.kbc.co.jp/movie/index.html?id=5799
飼育員たちの挑戦!穴を掘るライオン その2
http://www.kbc.co.jp/movie/?id=5800


穴掘りボックスは不定期で使っています。
見られるチャンスが高いのは『ライオンの肉探しタイム(土日祝日の15:45~)』のときです。
※動物の体調等により予告なく変更、中止する場合があります。


動物園で穴を掘るライオンが見られるのは、世界的にも珍しいと思います。
動物園でイキイキと穴を掘るライオンの姿を見て、ライオンの知られざる能力をぜひ感じてください。

いつの日か、私も野生のライオンが穴を掘るたくましい姿を見てみたいものです!


ライオン班 ばん

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by omutazoo | 2018-01-08 14:11 | 動物
※今回のブログでは、シカの死体の写真が出てきます。
あらかじめご了承の上ご覧ください。

こんにちは!
ライオン班のばんです。
今日のブログはちょっと長め。
ですが、大切なことを書いたので、読んでくれたら嬉しいです。

さて、ライオンたちにシカの骨を与えたブログはもうご覧になりましたか?
(まだの方はこちら↓「ライオンたちとシカの骨」)
http://omutazoo.exblog.jp/26914168/

ライオンたちに骨をあげたのは、害獣として駆除されたヤクシカの命をできる限り有効活用するための「ヤクシカZOOプロジェクト」の一環でしたね。
(ヤクニク屋さん、九州大学 持続可能な社会のための決断科学センター、科学コミュニケーター 大渕希郷さんとの共同プロジェクト)
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ヤクシカZOOプロジェクトのロゴ

今回はヤクシカZOOプロジェクトの第2弾として、ライオンとトラにヤクシカを「丸ごと」あげるお話です。

動物園のライオンたちは、ほとんどの場合、狩りをすることなく食べやすいサイズの馬肉などのお肉を食べています。
栄養にも気を付けて、ビタミン剤を加えるなどしているため、栄養上の問題はまずありません。

一方、野生のライオンやトラは、獲物を探し、見つけて待ち伏せをし、襲って仕留めます。
その後、皮を剥ぎ、骨から肉を引き離し、ようやく肉にありつけます。
動物の死骸を見つけて、それを食べることもありますが、骨にこびりついた肉を剥ぎながら食べるなど、肉を探して食べることはとても大変で時間がかかります。

動物園では、途方もない時間をかけてハンターとして進化してきたライオンたちの栄養を満たすことはできても、獲物を襲うといった行動の要求を満たすことは難しく、食べやすい肉では食事の時間は一瞬で、刺激が少なすぎます。

当園では少しでもそういった要求が満たせるように、肉を隠したりして食べにくくしています。
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段ボール箱に入った餌を運ぶトラのホワイティ。

それでも、動物園で手に入る肉の種類やサイズは限られているため、本来の食事に少しでも近づけられるように、より大きくほとんど加工されていない安全な肉を探していました。

そんな中、様々なご縁でヤクシカZOOプロジェクトが立ち上がり、ヤクシカを丸ごと入手することができました!
こちらがそのヤクシカ。
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重さ約8キロのヤクシカです。
小型なので、ライオンたちの餌の量を調整しやすいというメリットもあります。

徹底的に衛生管理されたヤクニク屋さんのシカですが、皮つきでしかも生で与えるため、動物への感染症のリスクを減らすために、頭と内臓は除きしばらく冷凍させました(人が野生動物の肉を食べるときは、プロの指導に従い十分な加熱が必要です)。

視察に来ていたヤクニク屋さんの田川さんと九州大学の細谷先生、そして一般の来園者が見守る中、シカを丸ごと与える理由を説明した後、ライオンのアサヒとトラのホワイティにあげました。
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驚くことなく、勢いよくヤクシカのもとへ(ライオンのアサヒ)!

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興奮した様子でくわえたままウロウロ(トラのホワイティ)。
大きな獲物を加えて運ぶことは、顎や首の筋肉を鍛えることに繋がります。

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運んでは舐めるばかりで中々食べません。
初めてのことで食べ方がわからない?

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プールに運んで遊びだす・・・

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トラのホワイティは40分後に食べだしました。

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ライオンのアサヒは1時間半後にようやく食べだしました。

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食後のグルーミング。
いつもより念入りにしているようでした。

そんなライオンたちの姿を見ていた来園者の方々の反応は様々。
「すごい!」
「楽しそう!」
「なかなか食べないね。」

他にも、
「(シカが)かわいそう…。」
かわいそうという声は案外と少なく、説明を聞くとほとんどの方が納得されているようでした。

中には、かわいそうと言う小さな女の子に、
「〇〇ちゃんが大好きなお肉も、本当はこういう形をしているんだよ。誰かが切ってくれているんだよ。残さず食べようね。」
と優しく話しかけるお父さんの姿も。

私たちは一般の方々がどんな印象を受けるのかをとても気にしていましたが、ご理解いただける方が多く、このプロジェクトの手ごたえを感じました。
動物園でライオンたちに与えることで、害獣として駆除されたヤクシカの新たな利用、特に食用にあまり向かない小型のヤクシカの利用が期待できます。

今後もこのヤクシカZOOプロジェクトを通して、環境エンリッチメント(*)に対する理解を促したり、動物園が身近な野生動物との関係を考える場としての機能を発揮したりしていければと考えています。

ちなみに…、その後ライオンたちに与えたヤクシカはどうなったかというと、翌日にはトラのホワイティでは肢の先がちょこっとだけ、ライオンのアサヒに至っては一頭すべて食べてしまったようです(骨までしっかりと消化しました)!
初めての体験、とても良い刺激になったようです。

ライオン班 ばん


・ヤクニク屋さん ホームぺージ
http://yakunikuya.com/about/profile

・ヤクニク屋さん FaceBook
https://ja-jp.facebook.com/%E3%83%A4%E3%82%AF%E3%83%8B%E3%82%AF%E5%B1%8B-516574865095622/

・九州大学決断科学プログラム ホームページ
http://ketsudan.kyushu-u.ac.jp/

・九州大学決断科学プログラム FaceBook
https://ja-jp.facebook.com/ketsudankagaku?fref=ts

・科学コミュニケータ― 大渕希郷さん ホームページ
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※ 環境エンリッチメント 
飼育されている動物が心身ともによりよく生活できるように環境を豊かにするための工夫。

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by omutazoo | 2017-09-07 17:59 | 取り組み

ライオンたちとシカの骨

こんにちは!
ライオン班のばんです。
さて、今日はライオンたちに与えている骨のお話。

どーん!
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これは屋久島から送ってもらったヤクシカの骨。

ヤクシカは屋久島だけに住む小型のシカで、大牟田周辺に生息しているシカ、キュウシュウジカに近い種類です(亜種と言います)。
屋久島では固有植物の減少や農業被害などから、ヤクシカの駆除が行われています。
駆除したヤクシカはおいしいお肉としても流通していますが、その利用は一部に限られています。
そこで、駆除されたヤクシカを動物園で活用できないか?ということで、屋久島で唯一の鹿の処理場であるヤクニク屋さんから、ヤクシカの骨をサンプルとしていただきました。
さて、気になるライオンたちの反応は…?

オスのライオン、あさひ
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「バキッ!ポリッ!」と丸ごと完食!

メスのライオン、リラ
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「ガジガジ」と前肢も使って器用に骨の表面に付いた肉を削ぐ。

メスのトラ、ホワイティ
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咥えたまま移動して…
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「ジャリジャリ」舐めたり齧ったり。

オスのキツネ、わらび
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「クンクン、ペロッ」と舐めはしたもののそれ以上は近寄らず。

ライオンたちの反応は実に様々。
骨を与えることには環境エンリッチメント(※)として様々なメリットがあります。
・齧ることで顎が鍛えられる。
・齧ることで歯がきれいになる。
・舐めとるなど、食べるための本来の行動を引き出す。
・時間をかけて食べることで充実した時間が増える。
・匂いなどの新しい刺激が加わる。
などなど。

これからも駆除されたヤクシカの命をできるだけ有効活用するために、動物園での可能性を探っていきます。
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このプロジェクトはヤクニク屋さん、九州大学 持続可能な社会のための決断科学センター、科学コミュニケーター 大渕希郷さんとの共同で「ヤクシカZOOプロジェクト」として進めて行きます(ロゴマークも素敵でしょ?)。
今後の展開にご期待ください!

ライオン班 ばん

※ 環境エンリッチメント 
飼育されている動物が心身ともによりよく生活できるように環境を豊かにするための工夫。

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by omutazoo | 2017-08-20 17:43 | 取り組み

麻酔とトレーニング

ライオン舎の前に行くとこんな看板が…。
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現在、ライオンの「あさひくん」(4歳)は体調不良のため展示を控えています。

数日前から急に食欲が低下し、吐くこともありました。
飼育員と獣医で話し合い、麻酔をかけて検査することにしました。
採血をしたり、レントゲンを撮ったり、エコーを当てたり、注射を打ったりしました。
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その結果、異常所見は特に見当たりませんでしたが、食欲不振や嘔吐などの症状から、毛の塊がお腹に溜まってしまう、毛球症という病気を疑って治療を行っています。


さて、熱心な大牟田市動物園ファンの方はちょっと気になったのではないでしょうか?
ここのライオンはトレーニングで採血や体重測定をして健康管理を行っていたはずでは?やっても無駄だった?もしやサボっていた!??

もちろん、採血や体重測定は続けていました(サボってないですよ)。
何を隠そうこの「あさひくん」は、ハズバンダリートレーニング※によって、麻酔などを使わずに採血に協力してくれるようになった日本で最初のライオンなのです!
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食欲があまりないと、いつもは大好きなお肉もいらなくなるので、トレーニングにほとんど協力してくれなくなります。
そのため今回は麻酔をかけた後に採血を行いました。
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では、採血や体重測定をしても無駄だったかというと、無駄ではないんです!
ライオンのような野生動物は、人間のように健康な血液のデータがあまりなく、また一頭一頭血液にも差があります。
「あさひくん」は健康なときに採血した血液のデータがあります。
緊急時には健康なときの血液と比べることで検査が正確にできます。

役に立つのは採血だけではありません。
体重測定も役立ちます。
麻酔薬の量は体重を基に決めるため、体重は非常に重要です。
麻酔薬が少ないと処置の途中で覚めてしまうかもしれず、危なくて近付くこともできません。
反対に多すぎると、麻酔が効きすぎて最悪の場合死んでしまう可能性もあります。
「あさひくん」は食欲がなくなりだしたとき、採血には協力してくれませんでしたが、体重測定には協力してくれました。
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処置をする2日前に体重を測れたので、麻酔薬の量を正確に決めることが出来、安全に麻酔をかけることが出来ました。


ハズバンダリートレーニングが無駄ではなかったことがご理解いただけたでしょうか?
ハズバンダリートレーニングで出来ることは限られており、ハズバンダリートレーニングで採血などが出来ても全ての病気を見つけることはできません。
麻酔や網などで捕まえたりすることは、これから先も非常に大切な技術です。
最も大切なことはハズバンダリートレーニングとその他の技術を上手に組み合わせていくことです。


「あさひくん」は、翌日から薬が効いたのか、食欲が徐々に戻り、目つきもしっかりとしてきました。
また元気な「あさひくん」に戻れるように、飼育員も獣医ももっともっと腕を磨いていきます。
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ライオン班:ばん

※ハズバンダリートレーニング:動物の心身の健康管理に必要な行動を動物たちに協力してもらいながら行うトレーニング。一部の関係者はハズトレと略すことがある。

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by omutazoo | 2016-09-20 18:17 | 動物